JAPANESE

ベネデイクト カンバーバッチは日本ではスーパースター!

「ロスアンジェルスから東京に飛んだのだが,まず長くてびっくりした。もちろんロンドンーロスはしょっちゅう飛んでいるが太平洋横断はもっと短いと思っていたから。しかし僕の生きている中であれ程驚いたのは,何と言っても空港に着いて目にしたファンの人数の巨大さだった。遠くから来たファンは徹夜で待っていたと言われて,僕は仰天し,感激し,非常に嬉しかったね。もし僕の気持ちを喩えて表現するなら,初来日を遂げたビートルズの状況に近いのではと誇り高いものを感じた。こんなに歓迎されるなんて思ってもいなかった!僕はそれなりに良い仕事をして来たのだなと胸が熱くなったり。凄く楽しかった。この場を借りて言っておきたい。本当にありがとう!」

テレビシリーズ「シャーロック」の現代版シャーロックが日本で大ヒット,スマートフォーンを操り,ロングコートで闊歩する姿は昔,やはり日本で大ヒットした「マトリックス」のキアヌ リーヴスにも似て,少し吊り上がった目に親近感を覚えるのか、
ベネデイクト カンバーバッチの嵐のような人気は,ハリウッドのスター パワーが今いち沈滞気味の日本で,歓迎の巻き返しと言えう。ジョニー デップ、ブラッド ピット、レオ デイカプリオらの庶民的スーパースターと違って,カンバーバッチには英国のハイソサエテイーの香りと長身から来るスタイリッシュなモダーンさが会って,どこか取っ付きにくそうな距離感があるのも魅力なのかもしれない。

そしてその正統派英国アクセントで,礼儀正しく,格調高く話すカンバーバッチが空港で,会見で,テレビ放送のスタジオで見せた自然なエレガンスがファンの心を魅了したのである。来日の目的は「スタートレック:インツー ダークネス」の宣伝だったが,撮影用にと出されたキモノを照れながらも,嬉しそうに着たり,劇場の前でプログラムに無い臨機応変のおしゃべりをしたりと自然体の反応がサービス精神に欠けてきた来日スターにうんざりしてきたマスコミや関係者にも新鮮な驚きを与えたようだ。
カンバーバッチを表紙にした映画雑誌は,この出版停滞期にあって,売り切れを記録し、他の雑誌もこぞって彼を表紙に,ポスターに起用,今や人気男優のナンバーワンになってしまった。
このカンバーバッチ旋風をスタジオは見逃さず,「スタートレック」公開直前に2度目の来日まで果たしている。

「スターウオーズ」と「スタートレック」を比較して、
「小さい時は,「スターウオーズ」がまず初めだった。あの毛深いシロモノのチューバッカやライト セイバーに夢中になったし、空想をさらに強める変な動物がたくさん出て来て,ハン ソロの男らしさにしびれたし、少年にとっては凄いインパクトを受ける映画だったよね。「スタートレック」は2009年の新バージヨンにまず新鮮な衝撃を受けたけれど,ずーっと前からのファンでは無かったな。しかしトレッキーのファナテイックな入れこみようはよく分かる。スポックとカークのユニークな友情には僕でさえも感動し,単なるSF映画以上の人間愛を痛く感じるもの」
と正直に答える姿勢も健気ではないか。

そしてJ.J. エブラハムスを天才だと熱っぽく語る。
「彼は21世紀のおもちゃを発明した。3Dにしろ,超現実的な発想が天才的なのはもちろんだが,常に心と精神を登場者に持たせ,観客は彼らを自分たちの家族のように感じてしまう.これは大した才能で、ただユニークなアクシヨンや飛行艇をデザインするだけでなく,俳優たちに愛情を持って接し,決して演技とか役造りを軽んじたりしない。ユーモラスで愉快な人となりを僕は知り,尊敬して止みません」
としんみりと話していた.J.J.当人は「ベニーと呼ぶと嫌な顔をするので,わざと連呼して,彼の役造りを邪魔し,結果として良い場面になる事もあった.実はシャワーを浴びるシーンも撮ったのだが編集でカットしてしまった.これ程人気が出て来たベニーのシャワー場面は後でDVDデイレクター版の中に入れると約束しよう」

日本では彼の古い映画を改めて上映して,次の出演作までの空間を埋めているが,「スタートレック」に続いて,2013年だけで「フィフス エレメント」「12イヤーズ ア スレーヴ」「オーガスト:オセージ カウンテイー」とハリウッド映画4本、テレビシリーズは「シャーロック」に加えて,時代劇の「パレーズ エンド」の2本,おまけにロンドンの舞台も控えているそうで,カンバーバッチ嵐はさらに風速を増して日本に直撃する模様。

成田陽子